TONY0922のブログ

学んだことを適当に記録していくブログです。主にRuby, Java, PHPで仕事してます。更新頻度はそんなに高くないので、ご了承下さい。

リファクタリング:Rubyエディション を読んだ。 〜 6章まで

リファクタリング:Rubyエディション

リファクタリング:Rubyエディション

久しぶりにリファクタリングについて勉強したくなったので、 読んで、重要と思った部分をメモ書きする。

第1章 リファクタリング

一時変数をメソッドリファクタリングする際にパフォーマンスの低下が懸念されるかもしれない。(P41)

  • そんなに問題にならないケースが多い。
  • できるだけ、リファクタリングは保守性を重視して、読みやすく変更を加えてやるべき。
  • 一時変数は無用に多くの引数をやりとりする原因になる点でない方が良い。
  • 一時変数を取り除けば、コードが何を使用としているのかがはっきりと分かるようになる。

※ 実際は一時変数をメソッドに置き換えて、リファクタリングをする人がどれくらいいるのか調べてみても良いかもしれない。

リファクタリングの問題点

インターフェースを公表済みの場合

  • 公表済みのインターフェースをリファクタリングをするのは、それの周知にコストがかかる。
  • したがって、普通は旧インターフェースと新インターフェースを両存させる。

第6章 メソッドの構成

メソッドの抽出

コードの断片をメソッドにして、その目的を説明する名前をつける。

利点

  • メソッドの粒度を細かくできれば、再利用しやすくなる。
  • 高水準のメソッドがコメントの連続のような感じで読みやすくなる。

Tips

  • コメントは抽出できるメソッドを見分けるのに使えることが多い。また、コメント自体が抽出されたメソッドの名前の候補になる。

一時変数から問い合わせメソッド

式をメソッドにする。一時変数の全ての参照箇所を式に置き換える。新しいメソッドは他のメソッドからも使える。

利点

  • 一時変数はローカルスコープのため、アクセスしようとするとメソッドを長くする以外に方法がない。したがって、問い合わせメソッドに置き換えれば、クラス内の全てのメソッドからアクセスできるようになる。

一時変数からチェインへ

チェイニングをサポートするようなメソッドに書き換え、一時変数を不要にする。

利点

  • 不要な一時変数を削除できる。
  • 自然に読めるようにコードを組み合わせられるインターフェースが増えるので、保守性が向上する。

Tips

  • チェイニングできるようにしたいメソッドからはselfを返すように実装する。
  • 一つのオブジェクト内でチェインは完結させたほうが良い。そうすることによって、表現力を高めることができる。

説明用変数の導入

処理の目的を説明するような名前を持つ一時変数に式、または式の一部の結果を代入する。

利点

  • 複雑な条件式が読みにくい場合は一時変数を使えば、式を管理しやすい形に分解出来る。

Tips

  • 一時変数はあくまでそのメソッド内のコンテキストでしか使えないため、できるだけメソッドの抽出を利用した方が汎用性は高い。

一時変数の分割

代入毎に別々の一時変数を用意する。

利点

  • ループ変数や結果蓄積用変数でないにもかかわらず、同じコンテキスト内で同名変数を使用すると、読み手が混乱するため、必ず別々の変数名を用意すること。

メソッドからメソッドオブジェクトへ

メソッドの抽出」ができないようなローカル変数の使い方をしている長いメソッドがあるとして、メソッドを独自のオブジェクトに変え、全てのローカル変数がそのオブジェクトのインスタンス変数になるようにする。こうすれば、メソッドを分解して、同じオブジェクトの別のメソッドにすることが可能になる。

利点

  • ローカル変数はメソッドオブジェクトの属性になり、このオブジェクトを対象として「メソッドの抽出」を行うと、元のメソッド分解して小さなメソッドを作ることが可能になる。
  • 作成したオブジェクトのメソッドに処理を委譲することで、引数渡しの心配をせずにメソッドの抽出が可能になる。

ループからコレクションクロージャメソッド

ループではなく、コレクションクロージャメソッドを使う。

利点

  • コレクションの中を行き来したり、派生コレクションを作ったりするためのインフラストラクチャコードを隠し、ビジネスロジックに集中できるようにしてくれる。

Tips

managerOfiices = employees.select {|e| e.manager? }.
                            collect{|e| e.office }
  • 合計の計算のように、ループ内で一つの値を生み出すような処理をしなくてはいけない時には、
    injectメソッドを使用する。
total = employees.inject(0) {|sum, e| sum + e.salary}

サンドイッチメソッドの抽出

重複部分を抽出して、ブロック付きのメソッドにする。この種のメソッドは呼び出し元に一時的に制御を返してくる。呼び出し元は、制御を返された時に実行するコードをブロック内に記述する。

利点

  • 前後の重複部分を抽出してメソッドにまとめることができる。
  • インフラストラクチャコード(コネクションを反復処理するためのコード)を隠して、ビジネスロジックを全面に押し出すことができる。
    • つまり、公開メソッド内に保つことができるのでメンテナンスがしやすくなる。

クラスアノテーションの導入

クラス定義からクラスメソッドを呼び出してふるまいを宣言する。

利点

  • 宣言的な構文でコードの目的が明確につかめる場合には、「クラスアノテーションの導入」を使うと、コードの意図を明確にできる。
  • 有名な例としては、属性アクセッサが挙げられる。

Tips

  • 様々なクラスで使いまわせそうであれば、Moduleとして抽出して、Classクラスに移した方が良い。

名前付き引数の導入

引数リストをハッシュに変換し、ハッシュキーを引数の名前として使う。

利点

  • 他のオブジェクトに処理を移譲をしようする際に、渡す引数の役割が明確になっていれば(公開インターフェースが明確な振る舞いをきちんと表現していれば)、移譲先のオブジェクトの詳細を深く見なくても済む。

Tips

  • アサーションの導入すると、下記2点の利点がある。
    • 渡さなければいけない引数の種類の明確化
    • キーの綴りの間違い時の検出
module AssertValidKeys
    def assert_valid_keys(*valid_keys)
        unknown_keys = keys - [valid_keys].flatten
        if unknown_keys.any?
            raise(ArgumentError, "Unknown key(s): #{unknown_keys.join(",")}")
        end
    end

Hash.send(:include, AssertValidKeys) # Hashオブジェクトを拡張する。

Class Books
    def self.find(selector, hash={})

        # ここでhashに渡すキーの種類が確認できる。
        # 誤ったキーが与えられるとArgument Error が発生する。
        hash.assert_valid_keys :conditions, :joins

# 以下、省略
Books.find(:all)
Books.find(:first, :conditions => "authors.name = 'Jerry James'", :joins => [:authors])
  • 呼び出し元のコードが分かりやすくなるという利点がある一方で、呼び出されるメソッドが複雑になるコストもかかってしまうので、呼び出されるメソッドをそこまで複雑にする必要性がない場合は、名前付き引数を取り除く
    • 引数の数が減ったり、オプション引数の一部が必須引数になったりして、Hashの名前付き引数から、必須引数を取り除いた場合
    • メソッドの抽出」や「クラスの抽出」を行って、元の引数から一つだけ呼び出して引数とするようなメソッドやクラスを作った場合

動的メソッド定義

メソッドを動的に定義する。

利点

  • 読みやすくメンテナンスし易い形式でメソッド定義を簡潔に表現できる。

Tips

  • 単純なメソッドの繰り返しであれば下記のようなメソッドを定義しておくと便利である。
class Class
    def def_each(*method_names, $block)
        method_names.each do |method_name|
            define_method method_name do
                instance_exec method_name, &block
            end
        end
    end
end
def_each :failure, :error do |method_name|
    self.state = mathod_name
end
class Post
    def self.states(*args)
        args.each do |arg|
            define_method arg do
                self.state = arg
            end
        end
    end

    states :failure, :error, :success
end
  • 動的に定義されたモジュールをextendしてメソッドを定義する。
class to_module
    def to_module
        hash = self
        Module.new.do
            hash.each_pair do |key, value|
                define_method key do
                    value
                end
            end
        end
    end
end
class PostData
    def initialize(post_data)
        self.extend post_data.to_module
    end
end

動的レセプタから動的メソッド定義へ

動的メソッドを利用して必要なメソッドを定義する。

利点

  • method_missingを利用したクラスのデバッグは悲惨になりやすく、最悪の場合スタックレベルが深くなりすぎてエラーになる。オブジェクトがどのように使われているかわかっているケースではmethod_missingを使わずに振る舞いを実現できる。

Tips

  • method_missingを使わない動的な移譲
    • 無効なメソッド呼び出しはデコレータのNoMethodErrorsとして正しく報告される。
    • method_missing定義もないため、スタックレベルが深くなりすぎることもない。
class Decorator
    def initialize(subject)
        subject.public_methods(false).each do |meth|
            (class << self; self; end).class_eval do
                define_method meth do |*args|
                    subject.send meth, *args
                end
            end
        end
    end
end

属性の中にnilのものがあるかどうかを判定する。

class Person
    def self.attrs_with_empty_predicate(*args)
        attr_accessor *args

        args.each do |attribute|
            define_method "empty_#{attribute}?" do
                self.send(attribute).nil?
            end
        end
    end

    attrs_with_empty_predicate :name, :age
end

動的レセプタの分離

新しいクラスを導入し、method_missingのロジックをそのクラスに移す。

利点

  • 新しいクラスにメソッドmethod_missingを移動させることによって、method_missingを利用することで発生するデメリット(予想外のNoMethodErrorの頻発やSystemStackErrorを発生)を抑えることができる。

Tips

  • 有効なメソッド呼び出しは予めわかっていることが非常に多い。その場合は「動的レセプタから動的メソッド定義へ」を使ったほうが良い。